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だらだらつれづれと。
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久し振りのその8
以下、一部の方々のとっては
不快な内容及び表現が含まれます。
ご了承の上で閲覧申し上げます

こちらは続きの方になります
初めての場合はこちらから

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彼にその言葉を言われた瞬間、わたしは数日間続いた寝不足のせいで
感じていなかった空腹感を感じ始めた。


----うーん、そもそもなんで寝不足になっていたんだっけ?


敢えて今は触れないでおこう。
今やるべき事は目の前にある問題を片付けて行く事。
と言うことでまずはお腹が空いたのでそれを何とかすることにした。
彼に渡されたものを確認した。
変わった生地のクッキーに白いクリームのようなものが挟まれている。
よく聞く置き換えタイプのクッキーがそれに類似するものだろうか。
箱の封を開けて口の中にそれを入れる。
味は悪くないと言うよりちょっと好みだったりする。


「困った事に言いたい事が多過ぎる。まずは聞きたい事はないか?」


わたしは口の中を空にしてから答えた。


「まずはどうやって脱出するの?」


「ややこしいが外に出るための通路はある。そこを行く」


他には?と言いたいような顔をしているので、続いて聞きたい事を口にする。


「ややこしい?なんか問題あるの?」


「そうだ。足手まといにならないようにな」


「足手まとい?」


「あぁ」


彼は続けた。


「まずここを出るために倒すべきやつらがいるのはわかるよな?
 お前をこんな怖いところに引きずり込んだ奴等だ。
 そいつらに制裁を与えないとオレの気が済まない」



----そっちか!?



「それにだ、ふくらはぎのアレを焼いたと言っても
 聖羅の安全が保証されるとは限らない」


彼の言葉は止まらない。


「と言うことでここに巣食っている奴等をぶっ潰してから出ることにした」


なんて凄く分かりやすい簡単な説明だろう。
話の内容があまりにも乱暴過ぎるが。
この後、彼の口から飛び出した言葉に度肝を抜かれることになる。


「ここから脱出するまで何を見ても教科書で見たものだと思え」


余りにもとんでもなさ過ぎるのでなにも出てこない。
・・・・多分、わたしが騒がないようにするための心構えなんだろう。
おそらく彼なりに頑張って考えただろうなぁ。
----しばらく黙っておこう。まだ食べ終わってないのもあるけど


「後、オレの指示には従えよ。死にたくなければな」


----そうするしかないのはよくわかっているので、
 言わなくて良いような気がするがこれも気が済まないって言うことにしよう。
わたしはどちらかと言えば下手なお化けや悪い人より目の前の彼の方が怖い気がする。

さてさて茫然としても仕方がない。
まずは今まで起こった事を整理しよう。
わたしは何故か廃神社に迷い込み、地下の空洞に引きずり込まれた。
凄い高いところから落ちたようだがなんかわからないけど助かった。
ここからは憶測込みの話だ。
真っ暗なのでデバイスの灯りを付けたわたしの近くを真人は
通りかかってしまった。
何故彼がここにいるのかは深く考えない。
仮にわたしに何かあったら困るのは彼なので
とにかく細心の注意を払ってわたしをこの空間に連れてきた。
じっとしているときに妙に鈍い音が何回かしたのはなんかいたからだろう。
わたしに危害を加えるのが。
ここなら明るいしそれなりに安全だからだ。
それに出入口を今塞いでいるから
彼の中で考えられる最悪の事態はいくつか防げるはずだ。
次にわたしが本物だと解れば後は連れ出すだけだ。
しかし足に変な痣を浸けられたものだからそっちの処理に追われたのだ。


・・・・ん?焼く?熱を与える?


彼の言葉で引っ掛かったものだ。頭の中で反芻する。
それとさっきの夢で見た内容、
あれはここで実際あった出来事なのだろう。
これで論理のパズルのピースが一気に揃った。


----彼の言葉に突っ込む気がないだけと言うか突っ込んでも無駄だろうだから、
今の今まで考えてなかったが、これで彼の周りにいて
感じていた不可解な現象についていくつか説明できる。


彼は何か特殊能力の持ち主だ。
これは断定できる。
内容は恐らくだが、何かを燃やす、または熱を与える類いだ。


どんどん論理のパズルが組み上がり、
様々な納得できる仮説がどんどん出来上がる。
この状況は楽しいが、今はこのくらいにしておこう。


「どうした?さっきから何か考え込んでいるようだが」


まぁ、実際問題、何も言ってないから気にかかったのだろう。


「大丈夫。頭の中を整理して状況を七割方理解した」


「流石に2回目になると順応したか」


「この後の事が問題だわ。使い過ぎたんでしょ?」


彼は目を丸くした。
この後の事を考えたろ今確認しないといけない事項だ。


「わたしと言うイレギュラーがなければそういう事はなかったんじゃないの?」


「おいおい、いきなりどうしたんだ?」


「疲弊している?それとも焦ってる?」


----なんとなくだ。彼の様子が少しおかしい。


「・・・ふぅ」


彼は息を付く。


「ああいったものの、今のオレには自信がない」


「どういう事?」


「実は何回か、ここのやつをなんとかしようかとしてたことがあるのだが、失敗してる」


少なくとも鳥人間の大群を片付けた男が言う台詞ではない。
これはないかあるとわたしは踏んだ。


「失敗?」


「倒したはずなんだが何故か復活する。
 しかも酷いときは倒してすぐだ」


「なんかあるわね」


頭の中で一つのピースが填まった。さっきの夢だ!
わたしが気付いたあの変な石だ。
あれも一緒に壊さないと多分復活する。
悲しい事に彼はその石の存在に気づいてない。
指摘できたらいいけどどう伝えるかだ。
と言うか動きを止めてそこをおもいっきり狙ってもらう方が多分早い。

「思い付く限り、手は尽くしてる。流石のオレも手詰まりだ」


「後、他に問題があるんじゃないの?」


「そうだ。しばらく優等生サマには捕まったら
 もれなく死ぬ鬼ごっこをしてもらうことになる」


「大問題過ぎる!」


わたしの抗議の声も虚しく彼は続けた。


「安心しろ。したっぱだから撃退できる手段はある」


「撃退?」


「あぁ。幸い、霊晶石でできている空間だ。
 拳大の霊晶石をそいつらの頭にぶつければしばらく消える。
 まぁ、オレとやり合う大物には効果はないが」


---あぁ、良かった。
霊晶石がなんなのか、もうどうでもいい。
とにかく単に逃げるだけで絶対捕まるなとか、
どう考えて無理だ、体力的に。


「それなら多分大丈夫だと思う」

彼にそう応える。


「そろそろ、ここを出るぞ」

「わかった」

わたしはここを離れる準備を始める。
周りを照らすためデバイスを取りだし操作しようとした。


「デバイスよりこっちを使え」


彼はわたしに小さな懐中電灯を渡した。


「いいの?」


「オレは大丈夫だ。それに両手空いてる方がいい」


----そういうことね。


彼は仕掛けを動かし、
ここの空間に出口ができる。そこは真っ暗な空間だ。
わたしは懐中電灯で中を照らしながら先導し、
彼の指示に従いながら進んでいく。


「そういえば、近代史で習ったろ?数百年前の大災害」


「覚えてる。世界の半分くらいの国が
 海に沈んだやつね。確か、この国も結構沈んだよね?」


「そうだ。日本から近いある国がまるっと沈んだって
 いうのももちろん覚えているな?」


「確か、朝鮮半島でしょ?なんか色んな不幸が度重なって沈んだよね」


えーと、台風と隕石とよくわからない地盤沈下だっけ?
今は関係ないけど。


「まぁ、歴史を見ている限り当然の報い受けた
 と言っても過言ではないとおもうが。
 そう、その国の生き残りがこの辺りに流れてきた」

彼はそのまま続ける。


「当然だが、その生き残りの連中は
 日本政府の方針が気に入らなかった。
 ある術者がそいつらに奇妙な話を持ちかけたんだ。
 この国をひっくり返したくはないか?って」


「そして、みんな騙されて生け贄にされて化け物になっちゃったわけ?」


「おっ流石、優等生サマ。その通りだ」


「この場合、褒められてもあまり嬉しくないわよ」


彼は足を止めた。わたしもほぼ同時に止める。


「さぁて、そろそろ鬼ごっこの時間だ」


「その前にお願いがあるけどいい?」


「聞けるものならな」


「まず、わたしがしたっぱを全部撃退するまで大物倒すのは待って」


わたしは慎重になりながら続けた。


「・・・・取って置きの一撃、
 わたしの言ったタイミングでその大物にぶちかまして」


「へぇ、なんか秘策があるのか?乗ってやるぜ」


彼はニヤッと笑った。



----これでないとか言ったら、殺される
・・・とりあえず逃げながら考えないとなぁ
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