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だらだらつれづれと。
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久し振りのその3
以下、一部の方々のとっては
不快な内容及び表現が含まれます。
ご了承の上で閲覧申し上げます

こちらは続きの方になります
初めての場合はこちらから

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もう一回夜が明けて朝になった。
わたしは制服を着て朝の支度をしてライナーに乗って学校へいく。

学校に着くと同級生たちとすれ違っていく。
互いにおはようとかわすわたしと友人たち。
ずっと感じている違和感。教室に入るとその違和感の正体に気づいた


ーーーー彼は来てないのだ。


わたしは自分の席に座って聞き耳を立てる。


一昨日のことについて、不服を感じる声やさほど気にしてない声。
両方聞こえてくる。


「くなちゃん、おはよう」

友人が不意打ちで声をかけてくる。

「おはよう」

わたしは何気なく返す。



「どうしたの?難しい顔をして」

・・・・まずい。このままでは悟られてしまう。

「こないだのテスト、思ったより出来が悪かったからちょっと憂鬱なのよ」


「あっそっかー。流石くなちゃん、勉強熱心だもんねー」


「まぁーね」


そんな話をしていたら、先生が来て話が始まった。


ーーーーとりあえず、誤魔化せた。今日一日は平常心で過ごせますように。


そう、天に祈りながら先生の話を聞いていく。
先生の話によると先程家族の方から連絡があったそうだ。
その内容は、一昨日の夕方ごろに屋根裏部屋に倒れているところを発見され、
凄い高熱を出しているので3日間休むと言うものだ。



ーーーーおかしい。



一昨日の昼過ぎから夜までわたしは彼と一緒にいた。
記憶にも新しい。

休み時間に再び聞き耳を立ててみると妙な会話が聞こえた。


「なぁなぁ、先生はあぁ言っていたけどよ」


「おれ、見たぞ。昨日の朝方」


「あぁ、おれもおれも」



おそらく近所にすんでいるであろう男の子たちが顔を合わせて話をしている。


ーーーどうやら不信に思ったのはわたしだけではないらしい。
わたしは安心したと同時に頭に疑問がよぎった。


ーーーー何故、学校に来ないのだろうか?

いろいろ考えながら時間ばかり過ぎていく。
何事もなく、午前中の授業が終わり昼休みが始まる。
気楽に一人で食事を済ませ、
次の授業の準備しながらわたしは物想いに耽っていた。

「くなちゃん、今大丈夫?」

朝、話しかけてきたクラスメイトだ。


「うん。いのりん、どうしたの?」


いのりんはわたしの家の近所に
住んでいる数少ない親しいクラスメイトの一人だ。


「これはうちのお兄ちゃんが見たんだけどー」


「話題の彼の事かしら?」


「うん。身体能力検査の前の日、
 くなちゃんの家の周りを跳んでいたを見たんだってー」



ーーーーーそっそっちかー!!!!


「あのさ。それ、お兄さんの勘違いじゃないの?
 大体、忍者とかじゃないんだからさ。跳ぶとか有り得ないし」


我ながらに冷静に切り返した。
身体能力検査オールドーピングなら出来る可能性は否定できないけど。


とりあえず、いのりん、
いや他のクラスメイト達に勘づかれないようにしなければ・・・・。


「やっぱり、くなちゃんもそう思う?
 うちのお兄ちゃんの勘違いよねー」


彼女は納得してくれたようだ。
そして、わたしは教科書を開きながら、その場をやり過ごした。






気が重い日が3日も続くと流石に疲れてきた。
ここ3日間はなるべく人と関わらないように細心の注意を払い、
放課後になればそそくさと帰宅する。

ーーーー怪しまれてないといいけどな
念のため、クラスメイトたちの話にも聞き耳を立てているけど
明日来ると言う保証はない。



明日になれば彼も来るだろうか?
そう信じたいところだが、なんか心に不安ばかり募る。
明日、長期休み前の登校日。
明日を逃すとしばらく学校は休みだ。


わたしは心が重たい気分のまま家にたどり着いた。

わたしは早く明日がくればいいと考え、
最低限のことだけをして早々と自分の部屋のベッドに入った。


・・・・・一時間が経過した。


わたしはガバッとベッドから跳ね起きた。

ーーーーなんつー夢を見たんだ!?わたしは。

その夢の内容と言うのは・・・・・
思い出すだけで恥ずかしいので言及はしないでおこう、いや、したくない。
そのまま、ベッドに転がるが気が立って眠れない。
気が立ち過ぎて眠れないのだ。



「ああああああああ!!!!!」



わたしは気が荒れているあまり叫び声をあげた。


わたしはベッドから立ち上がり、自分の部屋を出た。



次の朝。
わたしは自分の席で不機嫌に頬杖をついてた。


「くなちゃん、おはよー」


「いのりん、おはよう」


わたしは不機嫌そうに言葉を返す。


「今日、機嫌悪いね。あれ?
 くなちゃんのカバンから、甘い匂いがするんだけど」


ーーーーーまぁ、予定通り。少なくともここまでは。



わたしはカバンから小さい可愛らしい袋を取り出すといのりんに渡す。


「はい、どーぞ。昨日の夜、あまりにも荒ぶっちゃったから
 ついついね。他の友達と一緒に食べていいから」


「荒ぶったからお菓子作るって・・・・
 まぁ、いいや。くなちゃん、ありがとー」


彼女は自分の席に戻る。


昨日の夜はあまりにも気が立ち過ぎてどうしようもできなかったので、
気分転換の一環で作ったのだ。
まぁ、パンケーキの基に所定の材料と蜂蜜を加えて混ぜたものを
型に入れてナッツ類をトッピングしてレンジで
温めた程度の簡単なものだが。


わたしは教室を改めて見回した。



ーーーやはり来てない。



幸か不幸かは定かではないが、
彼の席は昨日席替えでわたしの隣となった。
そこは空っぽの空間。わたしの心内のようだ。


昨日の夜、お菓子を作った後、いろいろ考えた。
まず、今日来たらどうしようか?もし来なかったらどうしようか?


そして今しがた来なかったのを見た時点は
わたしの心はとうに決まっていた。
あの時、言っていた彼の言葉。


ーーーー悪い夢になる


悪いことが夢になるのは構わない。


問題はあの夜、あの時間でさえも
悪い夢になるのだけはわたしは許さない。
それだけだ。わたしがずっと気に食わなかったのは・・・・!!!


昂る気を静め、改めて思考を走らせる。


ーーー今日は連絡事項を聞いたら帰れる。
更に長期休みに入るから多少様子がおかしくても
長期休みが開ける頃には忘れられているのだろう。


さぁ、動くのはここからだ。
まずは情報を集める。そこから始める。
今回は先生と言う最終手段もある。
優等生、隣の席だからとかなんとか言えば先生も黙るだろう、多分。




そして、時間が過ぎた。



教室でおしゃべりをし合うクラスメイトたち。
ふと隣の席に目をやると男の子たちが三人集まって話をしている。



ーーーーあれ?あの三人、去年肝試しでどっかの廃神社に行って、
何故かわたしの家の近くの公園で倒れていたのを
レスキュー呼ばれたんじゃなかったっけ?



彼の席の周りに集まった面々を見て、わたしは確信した。



ーーーーやっぱり、そうだ!



「舞月くん、今日も来なかったね」


「明日の肝試し、どうするの?」


「うーん。やっぱり、あの廃神社に行きたいよなー」


聞き耳を立ててみれば、聞こえる聞こえる。肝試しの計画!!
少なくともわたしはお断りだ。



「あの廃神社、あいつんちの近くだから
 なんか知ってるんじゃないかと思って誘おうつもりだったけど」


「でも今日もいないね?まだ、熱下がってないの?」


「くっそー!!!取って置きがあるから絶対誘えると思ったのに」


ーーーーこれだ!!!


わたしは立ち上がり、男子三人にズカズカと近づく。


「ちょっと、あんたたち、さっきから五月蝿いんだけど?」


明らかに喧嘩をふっかけいるような空気を漂わせながら
わたしは彼らに声をかけた。


「あれ?聖羅さんじゃん?聖羅さんも肝試し行こう!」



「誘われても行くわけないでしょ!
 あんなところ!!ホワイトローズ社の抹茶ラテ5本積まれても行かないわよ」


わたしは呆れながらに言い返す。
ここまでは予定通り。



「・・・・やっぱり」


ーそりゃそうでしょう。そもそも肝試しなんて大嫌いなんだから
 余程の事がない限りするわけない。


「それに今日来てない彼だって、きっと嫌がるに決まってるわよ。
 まぁ、もっともその秘策で来るって言うのが本当かどうか怪しいけど」



ーーーーー結構適当に言ったな、我ながらに。



それを受けて彼らはこそこそ相談を始めた。


ーーーー何かを話し合っているようだ。


意を決したのか、そのうちの一人が話を振ってきた。


「ぼくたちの秘密兵器について知りたいの?」


「そうね・・・・あんたたちのアイデアはとにかく。
 一体何で動くのかについては思っていたのかは興味深いわ」


彼らはわたしの顔をマジマジ見つめ出した。


「・・・お願いがあるんだけど、今日、暇?」


「肝試しじゃなければいいわよ」


ーーーー大成功!!!


しめしめと言いたくなる気持ちを堪えながら、
わたしは届け物を渡すことを引き換えに彼の家の場所を聞き出した。

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