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だらだらつれづれと。
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一応久しぶりの、その1
以下、一部の方々のとっては
不快な内容及び表現が含まれます。
ご了承の上で閲覧申し上げます




拍手[1回]





新約 Great's Bird 外伝



わたしは目を疑った。
現時刻、お昼を食べるには少し遅いが悪くない時間。
わたしは、先程我が家に帰り着いたところだ。
家の門から玄関に行きかけたところ、それはわたしの目に入った。
お世辞にも手入れが行き届いているとは到底言えない庭。
そこに何か見慣れないものが見える。よくよくその何かを見つめる。

ーーー人?人だ。

庭に誰かが倒れている。

門を閉め、玄関のドアの前に学校用のカバンを置いてそれに近づいた。
誰かがうつ伏せで倒れている。
黒猫のようなふわふわとした短く切られた髪の毛、
黒いシャツ、黒っぽい作業用のズボン。
軍用なのだろうか?かなり丈夫そうな茶色のコンバットブーツ。
身体付きからして、恐らく男性。
見た感じからすると、わたしよりは身長が高そうだ。
腰のところに細長い何かを下げており、
お尻のポケットには黒いケースに入った
封筒くらいの大きさの機械が顔を覗かしている。

ーーーこれは行き倒れ?

一体どこをどうやったら、わたしの家の庭で行き倒れるのか理由を
教授していただきたいところだが、今のところは不可能であろう。
わたしは行き倒れのお尻のポケットに入っている機械、
デバイスを取り出し操作をしてみた。
動作制限がかかっており、
この行き倒れが何者かを知るための手がかりにならない。
そのデバイスを制服のスカートのポケットにしまい、
胸ポケットからわたしのデバイスを取り出し、
レスキューにすぐにコールできるようスタンバイしておく。
ーーーとりあえず、行き倒れが生きているかどうか確認するとしよう。
レスキュー呼ぶのはそれからであろう。
わたしは生死を確認する為、彼の頸動脈にふれようと近付いた。

「・・・・腹、減った」

微かだが聞こえた。
他にも何か言っていたようだが
わたしにはそれしか聞こえなかった。

「え??」

わたしは驚いた。



「ーーーあぁ、食った食った」
彼は満足した顔でわたしの方を見た。
「あなたね、それ、わたしのお昼御飯と晩御飯だったんだけど」

あの後レスキューを呼ぼうとしたが
そこまでする必要はないと言われた。
しかし、余りにも空腹だったようなので、
彼を家に上げて食事を与えたをところである。

ちなみに彼が食事をしている間わたしが着替えたのはいうまでもない。

とはいえ見ず知らずの行き倒れなら
問答無用でレスキューと警察をセットで呼ぶところ。
しかし困ったことに彼はわたしのクラスメイト、
舞月真人(まいつきしんと)である。
今は笑っているから問題ないだろう(あと空腹が満たされたのもある)が、
いつもは機嫌が悪そうにしている。
彼の場合、目付きが悪いからそうみえているかもしれないけど。

「わりぃ、この詫びは今度するよ」

「まぁ、いいわよ。このところテストで間食多かったから問題ないよ」

事実だが、ただの強がりでもある。
わたしは二個目の栄養食ゼリーを啜りながら応えた。
一応わたしもお腹空いている事実を主張している。
言わば無言で後でなんかいろいろ聞くつもりだから
今は不問にすると言っているようなものだ。
彼がそれに気付いているかどうかは別として。

学校の方はと言うと、今日は身体能力検査で早々と終わった、
解散!遊びに行こうぜ~!といきたい気分だが、
どっかの誰かさんが来なかったものだから
現在進行形で大変な問題が起きている。
そのどっかの誰かさんと言うのが
今わたしの目の前に座っている彼である。

「それで、聞きたいんだけど、
 なんであんなところに倒れていたの?」

真っ先に聞きたいことを口にする。
そもそも、何故そうなった事実をわたしは聞きたいのだ。
と言うのも現在独り暮らしの身分。
年齢も今年の誕生日で15歳を迎える年頃の女の子である。
防犯の都合上穴があったら困るのである。

「・・・・さぁな」

「さぁなじゃないでしょう。教えなさいよ」

「んじゃ、例外だ。今回の事はオレからしても事故のようなものだ」

「・・・・例外ね。流石、古典文学オーバースコアで
 身体能力検査オールDの男は言うことが違うわね」

畳み掛けるか巧みにかわされ
目の前の彼に対する怒りの感情が沸々と湧く。

わたしはある事を思い出した。
わたしは彼に背を向け座り込み、
両手にデバイスを一台ずつ持ち操作し始める。
ちなみにデバイスは二台並べて特定を操作を行うと
中に登録されているデータのやり取りができるのだ。
さっき彼のポケットから拝借したデバイスを
わたしのデバイスに近付け、ハウリングさせる。
彼のデバイスの方がタイプが古いからわたしのデバイスを用いて
データを抜こうと思えば抜けるのだ。

しばらくわたしの方のデバイスを操作してみた。
・・・・抜けない。悲しいことにわたしの技術では
    彼のデバイスのデータが抜けないのだ。
彼のデバイスには動作制限がかかっていた。
しかも、面倒な事に解除には彼の指紋が必要だときている。
この彼がはい、そうですかと
この制限をあっさり外してくれるわけない。

「おーい、聖羅。なにやってんだ?」

わたしの頭の上くらいから声が聞こえる。
いきなり座り込んだから
何事かと思って近づいて覗いているのだろう。
ちなみに聖羅とはわたしの名前。
正確に言えばわたしの名前は聖羅くなせ。聖羅は名字である。

「いやーね。このデバイスのデータを抜いて
 これを元にいろいろと聞こうかなと思ってさ」

「おいおい、天下の優等生サマが、
 何サラッと怖いことを言っているんだよ。
 オレのデバイスを返せ」

「ほい」

ありのままの事実を述べているものが、
それに対する声は怒りより呆れの方が濃い。
彼の差し出した手に黒いケースに入ったデバイスを差し出す。

「・・・ったく、通りで見ないと思ったら
 んなところにあったのかよ」

彼はそれを受けとると
自分のデバイスをポケットにしまった。

「・・・・ところでこの後どうするの?」

「あ?家に帰るのに決まってるだろう。」

「まぁ、いいけど。今日、何の日か知っていた?」

「・・・あぁ、身体能力検査だろ?
 例のめんどくさい先公が来る」
彼の言葉に苛立ちが走る。

「そうそう。今日あなたが来なかったから
 あの先生、大変な事になっていたわよ」

「あぁ?いつものことだろ?」
苛立っている彼に対して冷静に事実を突きつけた。

「いやいや。今日は最悪な事にいつもより酷かったわよ。
 学校の他の先生はあなたの家に電話かけていたし、
 担任の先生は例のプロフェッサーに絡まれてゾンビ状態」

彼がめんどくさいなぁと言いたい顔だったが、
だんだん引きつってくる。

わたしはそれに構わず続ける。

「まるで何年もあってない恋人に会いたいみたいな状態に
 なっていたわ。まぁ、お陰様で
 今この辺り一帯にプロフェッサーのカメラボールが
 たくさん巡回して凄く気持ち悪いことになっているんだけど」

「う・・・」

何か嫌な事を聞いたぞと言いたい顔になっていた。
まぁ、事実だけど。

「だから今下手に外に出るとあのプロフェッサーに地の果てまで
 追いかけられることになるけどそれでいいの?」
脅しでも何でもない事実である。
わたしは起こり得る事を冷静に口にした。


「・・・うわぁ、シャレにならねぇな・・・」

彼はひきつった顔で応えた。

「更にお陰様でこの後遊びに行くって予定だったのが
 パーになった子がたくさんいてさ。
 まぁ、わたしもその1人で
 気持ち悪くて出掛けたくないんだけど」

「・・・それは悪いことした・・・」

「それについて謝る必要ないわよ。
 そもそも担任の先生から言われてるし、
 あのプロフェッサー、気持ち悪いから
 あまり協力したくないもん」

そもそもそのせいでその担任の先生も
大変なことになりかけているし、
もしかしたら人体実験のサンプルに
されるかもしれないと言う危惧の上で
クラスメイトたちは動いていたりする。
当の本人は知らないけど。


「そいつは有難い」

「まぁね。これがもし、この対象が女の子なら犯罪よ。
 即刻警察に通報よ。けど、いくらなんでもあなたの結果は異常じゃない?」

確かに彼の身体能力検査の結果はオールDだ。
しかし、このDはデキが悪いと言う意味のDではない。
異常に優秀・・・・つまりドーピングのDだ。
彼はわたしの言葉に対してサラッと返す。

「常日頃の鍛練の賜物ってやつだ。気にするな」

「どこをどういう風に鍛練したらそうなるわけ?」

「さぁな」

彼は巧みにかわす。妙にいたずらな笑みを浮かべている。

「さぁな・・・じゃないよね?」

「おいおい、そこまで言うと思うか?」

わたしは自分のデバイスを取り出した。

「じゃ、不本意だけど今この場で学校に連絡しようかしら?
 先生、ここにいまーすって」

「・・・わ、わかった。それだけはやめてくれ」

余程嫌なのだろう。
彼は青ざめた顔でわたしを見つめた。

「ごめん、今のは冗談。そもそもあのプロフェッサーに
 あなたを引き渡す気はないから」


取り出したデバイスを仕舞うと
彼はホッとしたようだ。


「だけど、しばらくおしゃべりには付き合って貰うわよ。
 わたし、今日は暇だから」

「おい」

彼は疲れた顔でわたしを見つめる。

「当たり前よ。わたしも出掛ける予定がポシャった1人だから」

そう言い放った後、デバイスから機械な音が奏でられた。

ーーー誰かがわたしにコンタクトをとろうとしているんだろう。

デバイスの表示をみる。

ーー担任の先生だ。なんだろうか?

人差し指を立てた状態で唇に当てて、
彼を見つめた後、わたしはデバイスを操作した。

「聖羅です。先生、どうされたんですか?」

『聖羅、舞月がどこにいるのか、知らないか?』

先生の声は明らかに疲弊していた。
何かあったのだろう。

「いいえ、知りません」

冷やかに応える。
わたしの目の前にその探し物はあるのだが。

「そうそう、先生、こないだの近代史のテストの問題で
 ちょっと気になるところが・・・」

続けて別の話題を口走る。
内容については事実だが、先生の気を反らす意図も兼ねている。

『聖羅、すまないが、今日は質問に答えられない。
後でいいからパブリックボードにある連絡事項を見るように』

ガチャッ。

先生は搾るように話をすると
力尽きたようにコンタクトを切った。

ーーなるほど、パブリックボードに情報を載せたわけか。

「どうだった?」

彼はマジマジとわたしを見つめる。

「やっぱり、先生、声が死んでた。それとパブリックボード見ろって」

わたしはデバイスを操作し、
ネットワーク上にあるパブリックボードを開く。
パブリックボードとは学校が各クラスに与えたクラスメイトと
担任の先生しか見えない連絡掲示板である。
どうやらなんとかして
例のプロフェッサーに内緒でわたし達に連絡したかったのだろう。
先生も大変である。

パブリックボードを開いてみたら
文章の内容が暗号になっている投稿をみつけた。
もしも見られた時の対策だろう。
しかも投稿者が謎解きが好きなクラスメイトの男の子になっている。
まぁ、これなら少なくとも怪しまれることはないだろう。
多分帰りがけに捕まえてお願いしたのだろう。
つまり、先生はわたしにこの暗号を解いて連絡事項として
改めて投稿しろと言いたいらしい。

「うーん、ちょっと時間掛かるかも。」

わたしは棚の上に転がしているメモ用紙とペンを手に取り、
パブリックボードの暗号を解き始める。
まぁ、暗号といっても大したものではなく割りとあっさり解けた。
とりあえず、先生からの連絡事項と称して
パブリックボードに投稿した。

「・・・・なぁ、連絡事項ってなんだった?」

恐る恐る彼は口を開いた。
ちなみに彼は数少ないパブリックボードを見ない人間だ。
ましてや投稿することまずない。

「連絡事項?大したはないわ。あのプロフェッサー、
 さっき帰ったからカメラボールは撤収されているって」

厳密に言うと帰る予定時間と撤収予定の時間だが、
その時間から半時間過ぎているから
そういった方がいいだろう


「・・・・はぁぁ、安心した」


彼は肩で大きく息を吐く。

「安心するのはいいけどさ、
 結局身体能力検査、別途で受けないといけないから、
そこら辺は先生と相談しなさいよ」

一応釘は刺しておいた。

「・・・・あのめんどくさい先公が
 来なければなんでもいい。近いうちに相談するよ」

彼の場合、ここまでくると嫌悪と言うか拒否のレベルである。


「とりあえずあのプロフェッサーが帰ったことだし、
 お祝い兼ねてプリン買ってくるわ」

「オレが行こうか?」

彼は嬉しそうに声をあげるがその手には乗らない。

「申し出は有難いけど、あなたはこの近所のことわかってないし、
 とんずらするだろうから、ダメ。
 大人しく待ってなさい。すぐに帰ってくるから」

わたしは、デバイスと家の鍵をポケットにしまい、
そのまま玄関に向かった。
底の厚いサンダルを履くと玄関の扉に手をかけた。
少し出掛けるには遅い時間帯だが、
今は夏場で日入りが遅い。
その上、行くのは歩いて10分もかからないちょっとした商店。
買うものはわたしと彼が食べるプリンとちょっとした飲み物だけ。
これくらいならわたし1人で上等だ。

玄関の扉を開けると、それはいた。
全身真っ黒な影のような生き物。
大きさとわたしと同じくらいか少し大きい位だろう。
その姿は例えるなら鳥人間が
大型トラックに轢かれてそのままの状態に立っている。
まともな生物であれば明らかにおかしいと言える歪んだ骨格をしている。
顔には嘴、背中には羽根のようなものが生えているように見える。
それは不気味に笑いかけた。

「オマエ、ケサ、ミツケタオンナ、
 イイオンナ、キョウノニエ、スバラシイチソウニナル」

ーー何を言っている?
  素晴らしい?チソウ?ニエ?

あまりにも状況が理解できさ過ぎて足が動かない。
それは続ける。

「イマナラ、カタナノオトコノジャマガハイラナイ。
 キョウシュリョウサマニササゲルサイコウノクモツ」

ますます何を言っているのか理解できなかった。


ーーーこれはヤバい



わたしの勘が囁いている。
次の瞬間わたしは渾身の力で叫んだ。



「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」



「どうした!?」


リビングから響く彼の声。
叫び声を合図に目の前の化け物がすり寄って来る。
咄嗟に身体を倒し、少しでも距離を取るべく恐怖で動かない身体を
無理やりに動かし後ろに下がる。
声を聞いて飛び出してきたのだろう。彼の姿が目に入った。

「ーーー!?」

化け物の動きが止まった。
そして、次の瞬間それが言ったカタナノオトコの意味をわたしは理解する。

ーーバンと言う鈍い音。


わたしに襲いかかろうとしたそれは真っ二つに斬られ、
黒い霧になって消えた。
彼は得物を鞘に納め、なにも言わず玄関の扉を閉め、鍵をかけた。

彼は振り向き、わたしの様子を確認すると

「今はここにいない方がいい。リビングに行こう」

わたしは頷くと促されるまま、リビングに戻り
奥に置かれているソファーに座った。
彼はリビングの扉の前に立ってわたしを見ている。
と言うより見守っていると言った方がいいであろう。

わたしは頭の中を整理した。
まず、プリンと飲み物を買いに行こうとした。
そこは問題ない。ごく普通の当たり前のできことだ。
そして、玄関の扉開けたら鳥人間の化け物がいて、襲われかけた。
その時、できた唯一の抵抗手段は叫ぶことだけだった。
幸いにもたまたまリビングでわたしを待っていたクラスメイトの男の子が
飛び込んでそいつをやっつけた。

ーーーこれが一連の流れだ。

・・・・もしもだ、この場に彼がいなければ、
わたしはどうなっていたのだろうか?
仮に彼がいてもさっき化け物を真っ二つに斬った刀のような対抗手段を
持っていなければ・・・・・・

わたしは認識してしまった。
さっきの化け物がわたしに与えようとした何か。
心のそこから沸き上がる恐怖。
わたしはさっきの化け物を見た瞬間から
何も理解できなくなっていたのだ。


ーーーそして、今やっとそれを理解してしまった。


身体の奥底から沸き上がる恐怖の余り、
涙が零れ出す。声が震え、泣き叫ぶしかなかった。

「うああぁ!!こ、怖かったよぉ!なんなの?あの鳥人間!
 大型トラックに轢かれたみたいな気持ち悪い骨格でさ!
 キョウノニエとかチソウとか変なことを言ってきてさ・・・」

溢れ出す感情。
上手く紡げない言葉はなかなか止まらない。

「わたし、あなたがここにいなかったら、死んでいたんだよね?
 ねぇ、なんなの?あれ?ねぇ、教えてよ!あれは一体なんなの?
 わたしは悪いことしたの?わたしは
クラスメイトと一緒にプリンを食べることすら
 許されないと言うの?教えてよ?ねぇ!」

問いただすような言葉に対して彼は黙っていた。
わたしはしばらく彼の目の前でひたすら泣きじゃくっていた。

しばらく泣きじゃくると我に帰り、彼を見つめる。

「・・・ごめん。恥ずかしいところを見せちゃった」

「いや、謝るのはオレの方だ。こんなことになってすまない」

彼は謝った。

何を言っているのだろう?彼は悪くない。
わたしは彼のお陰で助かったのだ。
何故、悔やむ必要があるのだろう?

わたしは恐る恐る口を開いた。

「・・・明日、学校休みなんだよね」

「あぁ、曜日的にな」

彼は少し冷やかに応える。
多分、いろいろ1人で考える事があるのであろう。

「でさ、こんなことに言うのはなんだけど・・・今日泊まって」

「・・・・はぁ?」

彼はこう言いたいのだろう。
ーーーこいつ、何言ってるんだ?

「ほら、またああいうのが襲ってこないとは限らないよね?」

「わかるが、少なくとも明日の朝まで外に出るか
 窓を開けることをしなければ大丈夫だ」

「・・・・わたし、独り暮らしなの知っているよね?」

「噂で聞いてたが本当だとはな・・・何が言いたい?」

「だって、1人は怖いもん」

あまりにも直球な回答に彼は顔をしかめた。

「・・・わかってて言っているよな?
 オレ、こないだの誕生日で15才になったケダモノだぜ?」

「そのくらいわかっているわよ。
 言っておくけど、わたしに何かあったらあなたも困るのよ?」

彼はしばらく黙ると口を開いた。

「・・・確かにそうだ・・・」

もう一押しだ。
わたしはリビングの棚に手を伸ばし、探し物を始める。

「・・・何を探している?」

「こないだ買った新作のゲームを探しているの。わたしも嗜む程度にやるから」

「・・・まさか・・・」

「えーと、これがこないだ出たフロンティアハンターズの新作で、こっちが・・・・」

わたしは知っている。
この男、実はかなりのゲーム好きで今は何らかの事情でしないらしい。
かなりやりたい気持ちが抑えられないときがあるらしく、
たまに公共端末で情報を見ていたりする。
因みにわたしはその現場を幾度なく目撃している。

テーブルの上に数本程度並べて懇切丁寧に、説明しながら見せつける。
どれも新作で好きそうな作品ばかりだ。

彼はそっぽを向きながら話を聞いているが明らかに身体が震えている。

「・・・・いいの?今、この機会逃すと出来ないかもよ?」


「だぁぁぁ!!!もう泊まっていってやるよ!」

自棄になった彼の声が響いた。

「やった!」

わたしは小さくガッツポーズをした。
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