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だらだらつれづれと。
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久し振りのその9
先ほどよりやや明るい空間。 それなりに走り回れる広さはある。 今、現在わたしの体力を考えると20分くらいが限界。 と言うことはしたっぱを10分以内に撃退して 大物を引き付けながら、そいつの動きを一時的に完全に止める方法を考える・・・・ 困った事に奇跡でも起きない限り多分無理だ。 アクシデントと言う名の切り札に期待するしかない。 「・・・・ふぅ」 祈るような気持ちで息を吐き出す。 「なるべく大物に近づくなよ、優等生サマ」 彼は足を踏み出す。 空間の奥の方から不気味な声がした。 「ハハハハハ・・・・諦めの悪いやつだ」 不気味な笑い声と一緒にさっき夢に出てきた 骸骨のお化けが姿を現した。 「ケタケタ不気味に笑いやがって今度こそ、お前を倒す!」 彼は腰に差していた得物を抜いて構える。 ----これ、絶対骸骨のお化けが言っていること、わかってないなぁ。 「ほぅ、贄の娘も一緒か」 ぼわぁっと人体模型のような骸骨が、3体現れる。 「あの娘を捕らえろ」 「気を付けろ」 ----わかってるわよと言いたいところだが、 あの3体の骸骨の狙いはわたしだ。 何も言わず全力で駆け出した。 骸骨のお化けと彼の攻防の合間をすり抜けながら、 骸骨の3体と鬼ごっこを繰り広げる。 どっかの誰かさんが派手に暴れているお陰で なんとかの欠片には困らない。 しかも、わたしを追いかけている骸骨の方は頭が悪いときた。 隙を見図り、手早くいい感じのそれを一つ拾い上げる。 そして、颯爽と距離を取り、そのうちの一体に投げつけた。 「ぎゃぁぁぁぁぁぁ」 断末魔を上げて一体消えた。 ----後、二体!! 「ほぅ、なかなかだ。これはどうかな?」 骸骨のお化けがそれを言った瞬間、 派手に物が壊れる音が響いた。 「好きにはさせないぜ」 ----さすが!! 部下を呼ぶ何かを壊したのね!最高!! わたしは再度走り出す。 今度は同じような欠片を2つ集める。 しばらく走り続け距離を取り、投げつけた。 一体が断末魔を上げている間、じっとしているもう一体の方にも投げつけた。 これでしたっぱは片付いた。問題はここからだ。 走りながら、周りを見たが仕掛けのようなモノはない。 岩とかがちょこちょこ並んでいるだけだ。 「物陰でじっとしていろ!」 彼の声が聞こえる。言われた通り、岩影に隠れた。 ・・・・なんか変な音がする。 シュッ!! 思わず身体を寄せる。 見てみると地面から長い骨が生えてきていた。 ----これ、じっとしているより、真人の目の付くところを走った方が賢いぞ! わたしは真人と対峙している骸骨のお化けが 視界に入るところまで静かに移動した。 あぁ、見える。見えるぞ!! あのお化けの頭の中で変な石がふよふよ動いているのが!!! 戦っている光景から目を離さない様にしながら、 ゆっくり移動する。骸骨のお化けの動向に注意を払い、 近くに仕掛けがないか観察する。 ----ダメだ!見つからない。 彼が戦っている光景に視線をやると 表情に焦りと疲れの色が見え始めた。 ----しまった!真人の事を考えてなかった。 悠長にしている場合じゃない!! わたしはひたすら考えるが、頭の中は焦りの言葉しか出ない。 攻防繰り広げている最中、彼は苦悶の表情を浮かべた。 そしてズボンに下げている小さなポーチに手を伸ばす。 そこから赤い何かを取り出し、口に咥えた。そして、そのまま飲み込んだ。 んで、幸いにもだ、 その赤い何を取り出す際もう一個の赤いそれが地面に転がり、 偶然にも蹴り転がされ、わたしの足元にきた。 ----赤い勾玉? 小さいあめ玉より大きい、 わたしの親指くらいはある。何かの宝石の類だろうか?キラキラ光って綺麗。 わたしは閃いた。 この勾玉は丹力とか霊力とかそう言うなんか よくわからない必要なエネルギーを補給するものだ、多分だけど。 ということはこのエネルギーの塊であるこの勾玉を あの骸骨のお化けにぶつければ! わたしは身体を屈め左手を伸ばす。 それが左手に触れた瞬間---- 目の景色の色が変わった。 何かに意識を持っていかれそうになる。 ----させるか!!!!! バン!!! 右足のふくらはぎを強く叩いた。 「ッ!!!」 声にならない苦痛の声が出る。 景色の色は瞬く間に戻った。 そしてわたしはそれを拾い上げると握りしめ、ポケットにしまう。 ----わたしが触ることによるリスクを考慮することを忘れていた。 いや、今はそれに構っている場合ではない。 これでパズルのピースは揃った。 後は確実に骸骨のお化けを倒すだけだ! 見回すと、攻防は続いてた。 彼の方が有利と言えば有利だ。 だが相手の方は疲れを知らないのもあって状況を楽しんでる。 攻防から少しいい感じに離れた位置にこれまたいい感じの高さと広さを持った岩がある。 まるでちょっとしたステージいや、お立ち台かしら? どっかの誰かさんが暴れに暴れてくれているお陰で出来上がった気がするけど、 気にしないでおこう。 ポケットにしまった勾玉を見てみると凄い光を放っている。 このままだと怪しまれて避けられる可能性が高い。 いいこと、思い付いた。 霊晶石の欠片を2つ拾い、勾玉を挟む。 そして、わたしの制服の棒ネクタイを外し、 それをぐるぐる巻き付けて、霊晶石にしか見えないようにする。 運がいいのかそうでないのかわからないけど 棒ネクタイも霊晶石も紺色で端から見たら、判別できない。 ----確実に当てにかかる! そしておもむろにさっき見つけたなんちゃってお立ち台に登る。 ----よく見えると感動している場合ではないな。 ここからが真の正念場だ。 「おじさーん!!最高級のご馳走はこっちよ!」 わたしは叫ぶ。 骸骨のお化けはわたしの方を向き、こっちに飛んでくる。 「何、考えているんだ!戦うな!!そのまま隠れてろ!」 彼の焦りに満ちた声が響く。 今は相手できない。 「とりゃぁぁぁぁ!!!!」 渾身の一発を繰り出す。 何かが崩れる音が聞こえる。見事に当たった! 「ぐぁぁぁぁぁぁぁ!」 絶叫が響き渡る。 骸骨のお化けは光に包まれた。 ----頭のあれは動いてない! 「真人ー!今よ!!頭のど真ん中に派手なの一発!!!!」 わたしは全力で叫んだ。 「はぁぁぁぁ!!」 待ってましたと言わんがばかり彼は、全力の一撃を放った。 PR コメントを投稿する
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