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だらだらつれづれと。
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久し振りのその10
以下、一部の方々のとっては
不快な内容及び表現が含まれます。
ご了承の上で閲覧申し上げます

こちらは続きの方になります
初めての場合はこちらから

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彼の渾身の一発を浴びた骸骨のお化けは瞬く間に砂になって消えた。
なんかいろいろぶつぶつ言っていたような気がするけど気にしない。

彼が一撃を放った時にあの変な石が砕けるのを見たから、
おそらく復活する事はないだろう。


「・・・・やった・・・」


わたしは腰が抜けてそのまま座り込む。
むしろ立っていたお立ち台が椅子のようになる。


「確かに不気味な気配はもうない・・・倒したのか?」


彼はわたしに問いかけた。



「ええ。これで変な石も一緒に壊したし復活することはないわ」


「変な石?」


「わたししか見えてなかったと思う変な石」


「・・・あぁ、そういうことか」


よくわからないが納得はしてくれたようだ。


「ところで、何をしたんだ?」


彼は訝しげな顔でわたしを見つめた。


----実を言うと何も考えてないとか言えない。


「えーと・・・・奇跡よ!!奇跡を起こしたのよ!!わたしが」


「はぁ?」


彼は呆れの声をあげる。


「奇跡は起きるものじゃない、起こすものって
 どっかのイケメンが言っていたのよ」


「・・・・奇跡っつーのは滅多に起こらないから奇跡って言うだろ。
 そう簡単にポンポン起こされたらダメだろ。
 って言うかどっかのイケメンって誰だよ?」


凄く冷ややかに論破された。
合理的と言う名の夢がない男である。


彼は周りを見回し、改めてわたしの方を見る。


「そういえば、優等生サマ、このくらいの大きさの赤い勾玉知らないか?
 なくなったら困るから敢えてそっちにやしていたのだが」


「ごめん。それ、骸骨のお化けにぶつけた」


ここは正直に言った。
黙っていたところで多分損しかしない。



「・・・・あれ、貴重品なんだけどなぁ」


わたしは固まった。



----まぁ、その手合いのものは基本的に貴重品だから
まぁ仕方ないが命には代えられない。
・・・・・とは言え、言われてしまった以上、



「・・・・あはははは」


ばつ悪く笑うしかない。


「まぁ、知らなかったから仕方あるまい」


彼は少し考え込むと


「・・・なるほど、そういうことか。いや、待てよ・・・」


彼は首を傾げる。


「これでここに巣食っている奴を倒したんだから
 後は脱出するだけね」


わたしは先の事を聞く事にした。


「そうだ。まぁ、次は優等生サマは全力で逃げるだけだから、
 問題ないだろう」


「・・・・どういうこと?」


----さっきも逃げていたんだけど


「さっきのはここに巣食っているやつの本体じゃない。
 むしろ発生源といった方がいいか」


「さっきのは飽くまで前座ってこと!?」


「まぁ、あいつを倒さないと大元の本体に張られた結界も消えないから
 どうにもならないからなぁ」

彼は至って冷静である。問題はわたしの方だ。

----うわぁ・・・体力、そんなに残ってないわよ!?どうしよう?

と言いたいが動くしかない。
とりあえずお立ち台から降りて歩き出す。案の定、ふらつく。
さっき体力使いすぎたと言うより勾玉を拾った時に
なんか体力を持っていかれたと言う方が正しい

「大丈夫か?」


彼はわたしの顔を覗き込む。


「大丈夫、自分でなんとかできる」


身体を動かすがうまく動かない。
右足のふくらはぎも先ほど強く叩いたせいで痛みがひどくなってきている。
勾玉を拾った時の話は絶対黙っておこう。
嫌な予感しかしない。



彼に案内されながら上手く動かない身体を引きずる。


----おんぶなんて情けないのでされたくない。


わたしは意地で自分の足を動かした。
心に募るイライラだけが今のわたしを保っている。
身体は変わらず上手く動かせない。

----この後、どうするの?どうなるの?
考えたくない。でも考えないとダメだ。

頭の中で考えは過るが口には出さない。
今は互いに無言。ただ、暗い道を進んでいくだけ。

彼は足を止めるとわたしの方に向いた。


「・・・・ぬっ!?」


何かを口の中に突っ込まれた。
口の中に広がる甘い味。チョコの類いだろうか?

思わず、咀嚼して飲み込んだ。


「何、してんのよ!?」


抗議の声を発する。


「ほぅ。なかなか威勢が良いようで?残り半分食べるか?」

半分に割ったそれを見せる。
栄養食の大きなビスケットだ。
しかもチョコでコーティングされている。


「だから、何してるのよ?」


「さっきからご機嫌斜めだったみたいからな。
 ちょっと腹減ってるのかなと思って」


彼は悪戯をした子供の様に笑う。何を考えているのだろう?

「えーと、気遣いってやつ?
 生憎だけど今はお断りよ。考えたくないけど考えなくちゃいけない」


「何をだ?優等生サマは逃げるだけだって言っただろ?」


彼は手に持っていた残り半分を口に放り込む。


「・・・あなた、まさか、死ぬつもりなの!?」


どこから取り出したのかはわからないが
リサイクルボトルの飲み物で口を潤した後、彼は続けた。


「おいおい、それは短絡的だぜ?誰が死ぬって言った?」


「だって、言っていることから考えて
 わたしはあなたを置いて逃げろっていいたいんでしょ?」


彼の顔はさっきの笑顔から真面目な顔へと変わる。


「そうだ。近くでチョロチョロされると足手まといだ。
 安全?保証できると思う?ならまだ安全なところに行ってくれた方がマシだ」


・・・残酷だ。でもそれが現実。
何もできない自分に苛立ちを覚えてしまう。


わたしは何も言えなかった。
言葉が出てこなかったのだ。


「さぁ、外にでるための仕掛けのところまで
 走ってもらうぞ?今全力で何分走れる?」


「今だと10分くらいが限界かな」


「上等だ」


彼は振り向いた。


「ここからは、オレの言う通りにしろよ」


彼はポーチからさっきのビスケットと似たようなものを取り出すと
封を開けてそれに食らいついた。


「・・・何やってんの?」


「あ?見りゃわかるだろ?」


不機嫌そうに言う。


----あぁ、なるほど、暴れるとお腹空くのね。
わたしもさっき突っ込まれたところだし、何か飲むか。


わたしは鞄から最後の抹茶ラテを取り出し、啜る。


「確実に持たなさきゃね?」


わたしは笑いかけた。

「言ってくれるじゃないか」


「まぁね」


そう言わずにはいられない。


「オレが合図したら後ろを振り向かず、ただひたすら走れ。
 何も考えるな。全力で走れ。行き止まりがゴールだ。
 そこに外にでるための仕掛けがある」


彼の説明は続く。


「しばらくしてもしもオレが来なかったら仕掛けを動かして外に出ろ」


そして彼は不敵に笑う、ニヤリと。


「まぁ、オレは死なねえから、安心しろ」


確証はないが妙な安心感がある。
だが言い返さずにはいられないのはわたしと言う人間の悲しい性分だ。


「もし、来なかったら一生口聞いてやんないからね」


「ケッ。面白いじゃねーか?その約束、守ってやらあ」

彼はわたしの言葉を突き返した。


しばらく進むと目的地に着く。
入ると明るく広がる空間。
さっきよりかなり広い。倍くらいありそう。


----うん。暴れるには超最適な空間だな、こりゃ。


空間の奥の方に浮いている石のようなもの。
ぶっちゃけ怪しい。
と言うかどう考えてもこれを壊してどうのこうのである。


「よし、結界は消えているな」


「あのさ、ちょっと思ったんだけど、
 あの浮いている奴を壊すんだよね?」


「あぁ。なんか、あるのか?」


予感的中である。


「こういうのって罠だよね?ほらゲームであるじゃん。
 なんか壊したら敵にたくさん囲まれるってやつ」


「あるな」


・・・・・だからどうした?と言いたいだろうが、
わたしから言わせてもらえば大問題だ!


「こういうのは敵に囲まれると大変だから距離とって壊すの!」


「・・・・」


彼は黙った。
囲まれる可能性を考えてなかったな、多分。


「大体密集していると結構戦いにくいものよ?まぁ、ゲームの話だけど」


「そもそも、飛び道具なんてそんな都合のいいもの、持ってると思うか?」


わたしはポケットからさっき拾った霊晶石の欠片を見せる。
いい感じに握り拳大だ。


「一発、こっきりなんだからこれで十分」


わたしは自信満々に言い放った。


「・・・・なんでこういつも都合がいいものを用意できるのかが気になるが、
有り難く使わせていただこう」


「・・・ここまでよ。わたしができることは」


わたしはそれを彼に手渡した。この先の言葉を発する事はできなかった。
彼は仕掛けを動かして道を用意した。
わたしはその道に足を踏み入れた。
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